海外でのNIPT(新型出生前診断)事情とは?
新型出生前診断(NIPT)は最近になって出てきた検査ですが、すでにごく一般的な検査として広く普及している国もあります。
新型出生前診断(NIPT)の海外事情について、日本の事情も併せて改めて確認してみましょう。
日本の場合
日本にNIPT(新型出生前診断)が行われるようになったのは、最近の話です。
まだまだ一般的な検査とは言えず、「NIPT(新型出生前診断)を受けた」と知人に話すと驚かれる、なんてことも少なくないようです。
日本ではNIPT(新型出生前診断)の結果によっては堕胎を選択する女性も一定数おり、難しい問題として物議をかもすことも多々あります。
保険は適用されるのか
日本でのNIPT(新型出生前診断)は、残念ながら保険適用とはなりません。
保険適用外で、すべて実費となります。
費用はどのくらいなのか
日本でNIPT(新型出生前診断)を受ける場合の費用は、約15~20万円です。
保険適用にはならないので、かなり高額と言えます。
検査が受けられる週数は?
日本でNIPT(新型出生前診断)を受ける場合、妊娠10週以降であれば受けることができます。
検査で性別を知ることはできる?
日本のNIPT(新型出生前診断)では、我が子の性別も知ることができます。
逆に、性別を知りたくないという場合は先生にその旨を伝えましょう。
検査結果が出るまでの期間は?
日本のNIPT(新型出生前診断)の検査結果が出るまでの期間は、約2週間です。
基本的には病院で直接先生から結果を説明されることがほとんどです。
アメリカの場合
アメリカの場合、NIPT(新型出生前診断)はごく一般的に行われている検査です。
特別拒否しなければ、受けるのが普通であるようです。
アメリカでは、多くの女性がこの検査を選択しています。
保険は適用されるのか
アメリカの場合でNIPT(新型出生前診断)を受ける場合、保険適用となります。
アメリカ合衆国のシーケノム社が2011年に開発したMaterniT21により、胎児の染色体異常が診断可能になったため、アメリカのNIPT(新型出生前診断)に対する考え方は進んでいます。
検査で性別を知ることはできる?
アメリカのNIPT(新型出生前診断)では、性別を知ることができます。
検査結果を説明される時に先生から「産まれてくる子の性別を知りたいか」と聞かれるそうなので、希望に応じて返答しましょう。
検査結果が出るまでの期間は?
アメリカでNIPT(新型出生前診断)を受けた場合、医療機関にもよりますが、早いところだと1日で結果が出るところもあるそうです。
オンラインで結果を確認できるのも便利なポイントでしょう。
詳しい説明が必要であれば、検査を受けた病院に行って先生から説明を受けましょう。
フランスの場合
フランスのNIPT(新型出生前診断)は、非常に高額で、この検査を選択する女性はまだまだ多くありません。
日本同様、まだポピュラーな検査とは言えない領域にいます。
保険は適用されるのか
フランスでNIPT(新型出生前診断)を受ける場合は、自由診療の領域に入り、保険適用外となります。
費用は全額負担です。
費用はどのくらいなのか
フランスでのNIPT(新型出生前診断)の費用は、医療機関によって違いがあるようですが、約500ユーロです。日本円にすると約59,860円となります。
検査内容も採血だけではなく、採血含め4種類あるそうです。その検査の内容によっても金額が異なります。一番高額な検査は、約900ユーロ。
日本円にして約107,748円です。
かなりの高額なので、保険が適用されないのが非常に難点です。
しかし、保険適用外で保険証が不要であるがゆえに、外国人でも受検することができます。
検査が受けられる週数は?
フランスでのNIPT(新型出生前診断)は、妊娠10週~18週で受けることができます。
検査で性別を知ることはできる?
フランスのNIPT(新型出生前診断)では、性別を知ることは許可されていません。
検査結果が出るまでの期間は?
フランスでのNIPT(新型出生前診断)の検査結果は、約2週間前後で郵送されるそうです。
ドイツの場合
ドイツでは、普通の妊婦検診のオプションとして、NIPT(新型出生前診断)を受けることができます。
希望すれば受検することができるので、希望がある場合は気軽に担当医に相談が可能です。
費用はどのくらいなのか
ドイツでのNIPT(新型出生前診断)の費用は、医療機関によって違いはあるようですが300~400ユーです。
日本円すると、約35,000~48,000円です。
NIPT(新型出生前診断)以外に、もう少し詳しく遺伝子について調べる検査があるようで、これは500種類もの病気がわかるようです。
こちらの費用は2,500ユーロ。日本円で約30万円です。
検査が受けられる週数は?
ドイツと日本では妊婦週数の数え方が違うようです。
日本では0~15週までが妊娠初期(月数で4か月まで)ですが、ドイツでは12週までが妊娠初期のようです。
ドイツでNIPT(新型出生前診断)を受ける場合は、希望者が12週~20週まで受けることができます。
検査で性別を知ることはできる?
ドイツでのNIPT(新型出生前診断)では、性別を教えてもらうことができます。
検査結果が出るまでの期間は?
ドイツでのNIPT(新型出生前診断)の検査結果が出るまでには、約2週間かかり、検査結果は先生から詳しく説明されます。
オーストラリアの場合
オーストラリアでNIPT(新型出生前診断)を受けるのに、特に条件などはありません。
妊婦検診で何も異常な経過はないものの医師からNIPT(新型出生前診断)をすすめられるそうです。
オーストラリアでは、NIPT(新型出生前診断)が一般的な検査として認知されているということです。
保険は適用されるのか
オーストラリアでNIPT(新型出生前診断)を受ける場合は、保険適用外となり、すべて実費となります。
費用はどのくらいなのか
オーストラリアのNIPT(新型出生前診断)の費用は、大体455~500オーストラリア・ドル前後です。
日本円にすると約54,000~59,000円です。
検査が受けられる週数は?
オーストラリアでNIPT(新型出生前診断)を受けられるのは、日本と同じように、大体妊娠10週からです。
受ける場所によっては、妊娠9週から可能というところもあるようです。
検査で性別を知ることはできる?
オーストラリアのNIPT(新型出生前診断)では、性別を知ることができます。
ただ、もしも聞きたくない場合は、先生にその旨を伝えましょう。
検査結果が出るまでの期間は?
オーストラリアでNIPT(新型出生前診断)を受けた場合の検査結果は、大体5~7日でわかります。
結果が出る頃に病院に足を運び、検査結果を聞きます。
オランダの場合
オランダでは2014年からNIPT(新型出生前診断)が許可されるようになりました。
しかしこの許可は、超音波や血液検査で胎児がダウン症候群の可能性がある場合に限られていました。
それから数年後、2017年4月1日より、妊娠中の女性は誰でもNIPT(新型出生前診断)を受けることができるようになったのです。
保険は適用されるのか
オランダでNIPT(新型出生前診断)を受ける場合は、保険適用となります。
2014年では35歳以上の妊婦さんはコンビネーションテストといって血液検査と超音波検査を組み合わせた検査を保険適用で行っていました。
これは国の対策で、2014年4月より2年計画で臨床研究として行われていました。
さらに詳しい検査としてNIPT(新型出生前診断)が保険適用検査となった経緯です。
費用はどのくらいなのか
オランダのNIPT(新型出生前診断)の費用はおよそ175ユーロです。
日本円にして約21,095円となります。
オランダ政府が助成金を出しているため、比較的安価と言えるかもしれません。
ちなみに血液検査と超音波のコンビネーションテストは168ユーロ、日本円で約19,900円です。
検査が受けられる週数は?
オランダでNIPT(新型出生前診断)を受ける場合は、妊娠10週から受けることができます。
検査で性別を知ることはできる?
オランダでのNIPT(新型出生前診断)では、性別を教えてもらうことはできません。
検査結果が出るまでの期間は?
オランダでのNIPT(新型出生前診断)の結果は、2週間前後で出てきます。
メールに添付されて送られてくることが多いようです。
イギリスの場合
2004年以降にダウン症候群などを診断するための国家ができ、全妊婦さんがNIPT(新型出生前診断)の前身となる出生前スクリーニング検査を受けるべきとされました。
これは、出生前スクリーニング検査が診断目的として多用され、女性の自主的選択の機会を与えているといったものです。
保険は適用されるのか
イギリスでNIPT(新型出生前診断)を受ける場合は、保険適用外となり、すべて実費となります。
費用はどのくらいなのか
イギリスで新NIPT(新型出生前診断)を受ける場合、約400~900ユーロかかります。
日本円にすると約47,000~約106,000円です。
検査が受けられる週数は?
イギリスでのNIPT(新型出生前診断)は、妊娠10週目から受けることができます。
検査で性別を知ることはできる?
イギリスでのNIPT(新型出生前診断)では、性別を教えてもらうことができます。
早い段階で我が子の性別を知りたい方にとってはありがたいことです。
検査結果が出るまでの期間は?
イギリスでのNIPT(新型出生前診断)の検査結果が出るまでには、約2週間かかります。
結果は郵送で届くそうなので、詳しい説明が欲しい場合には受検した病院に行きましょう。